前回の記事に引き続き、今回も「一般事業主行動計画」について見ていきます。

行動計画にはどんな目標を書けばいいのか

行動計画には、どのような目標や対策を書けばよいのでしょうか。

目標を設定するにあたっては、「行動計画策定指針」の「六 一般事業主行動計画の内容に関する事項」に掲載されている項目を参考にします。

その内容は行動計画の策定を届け出る際の書式の中に表としてまとめられています

これを見ると、例えば子育てをしている人を支援するための雇用環境の整備として、「法定の育児休業制度を上回る期間、回数の休業制度の実施」、「育児休業中の代替要員の確保や業務内容、業務体制の見直し」、「フレックスタイム制度」などがあげられています。

また、子育てをしている人に限らない働き方の見直しとして「短時間正社員制度の導入・定着」、「在宅勤務やテレワーク等の場所にとらわれない働き方の導入」といった項目もあります。

これらの中から、団体の現状や働いている人のニーズ調査により明らかになった課題のうち優先順位の高いものに対応する項目を、行動計画の目標として設定することができます。

目標はいくつ定めてもかまいません。

参考:一般事業主行動計画策定・変更届様式

people-coffee-notes-tea

まずは課題の把握と、現在の支援対策の自己評価のきっかけに

NPOとして、働いている人が仕事と子育てを両立しやすくするための対策が必要だと分かってはいても、なかなか思うように動けない―――。

そうした団体も、実際に他の企業やNPOの一般事業主行動計画を眺めてみれば、「これならできるかも」という項目が意外に多いのではないでしょうか。

一般事業主行動計画は、策定と実施のプロセスに順を追って取り組むことで、課題やニーズの把握、支援が既にできている項目と不足している項目の判別、やるべきことの優先順位付け、期限を切った具体的な目標の設定と実施すべき対策の明確化といった、両立支援策を導入し、組織に定着させるために必要なことが一通り実施できるようになっています。

時間や要員に余裕がないということであれば、まずは、両立の障害になっている課題や働いている人のニーズを把握するというステップに踏み出してみるだけでも、大きな意味のあることだと思われます。

策定の手助けとなる、さまざまな参考情報

主に厚生労働省のwebサイトを中心に、参照できる計画例や策定の手助けとなるさまざまな情報が提供されています。

「両立支援のひろば」の事業主向けサイトでは、仕事と子育ての両立を支援する取り組みの進み具合や不足している点をオンラインで自己チェックできる両立指標・両立診断サイトを設けており、その診断結果に基づいて、不足している部分に重点的に取り組む一般事業主行動計画を作成できる機能もあります。

一般事業主行動計画サイトスクリーンショット

また、さまざまな状況に応じた「モデル行動計画」が公表されており、自分たちと似た状況での行動計画の参考例を探すこともできます。

個別に相談をしたければ、都道府県の労働局雇用環境・均等部(室)が、行動計画づくりやその実施に関しての窓口となっています。

また、各地の商工会議所や経営者協会、中小企業団体中央会などが、事業主に対して相談援助を行う「次世代育成支援対策推進センター」として指定されています。

そのほか、次世代法や女性活躍推進法の一般事業主行動計画の策定なども含め、何らかの両立支援対策に取り組むことで事業主が利用できる助成制度もあります。

どのような助成が行われているかは厚生労働省や都道府県等の両立支援に関する情報サイトでご確認ください。

また、このブログでもこうした事業者に対するサポートについて後日まとめてご紹介する予定です。

(パブリックリソース財団 藤本貴子)